«  2015年7月  » 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
2015年7月29日

歯肉の部分は薄いセメント質におおわれていますが、それはさらに歯根膜という軟組織で包まれています。この歯根膜が、要するに歯根と歯槽骨をつなげる役目も果たしています。歯槽膿漏の歯が、なんとか抜けずにいられるのは、歯根膜組織がいくぶんでも生きて歯根の表面に残っているからです。

セメント質は、部位によって厚みが違います。歯の頭(歯冠部)と歯頸部に近いところでは200~300ミクロンですが、根尖部に近いところでは、年とともに多少厚くなったりします。
歯根膜は、血管や神経に富んだ非常に敏感で柔軟な組織です。ご飯を食べているときに、ごく小さな砂のようなものまで感知できるのは、この歯根膜にあるセンサーのおかげです。
つまり、食事中に「何か変なものを噛んだらしい」という信号が脳に送られ、それは「砂だ!すく吐き出せ」という命令が下りる、そういう仕組みというかシステムが出来上がっています。

矯正も、外部からの刺激の一つといえます。
上顎前歯に対して歯の裏側から前のほうに力が加わったとしましょう。物理的にいうと、歯の重心は歯根の中心の少し下あたりにあると考えられますから、歯の頭の部分、つまりエナメル質に与えられた矯正力は、歯の重心から離れている分だけ、歯を多少なりとも傾斜させることになります。

当院の紹介はこちら
http://www.imamura-ortho.net/

2015年7月22日

歯は、上顎と下顎の骨の孔(歯槽)に植わっています。ただ孔に刺さっているだけなら、逆立ちでもしたら抜けて落ちてきそうなものですが、歯が骨にしっかりと植わっているのはそれなりの理由があります。

歯が安定していられるには、四つの支持組織が健康でうまく働いてくれなければダメです。その四つの組織とは「歯肉」「歯のセメント質」「歯根膜」、そして「歯槽骨」です。
乳歯がグラグラして、抜けそうになっても抜けないことがあります。これは最後の支持組織である「歯肉」のおかげです。歯肉はけっこうガンバリ屋さんで、乳歯を最後まで守ってくれています。

脱落寸前の乳歯は、すでに他の3つの支持組織の応援が得られなくなっているのです。いや、乳歯ばかりでなく、歯槽膿漏などで、ぶらぶらの永久歯もけっこう抜けないでいるのは、やはりこの歯肉の努力によるものです。

食事のたびにそのグラグラが気になるどころか、乳歯の根っこの一部が逆に歯肉に刺さったりして痛くなると、歯肉も「もう自分の仕事は終わった」ということで、歯はまもなく抜けます。

当院の紹介はこちら
http://www.imamura-ortho.net/

2015年7月15日

われわれの先祖がだんだん食べ物を加工することを覚え、それで軟らかいものを食べるようになり、咀嚼にあまり力がいらなくなってきました。

このことが脳にどんな影響を与えたのか、相変わらず硬いものを食べているゴリラと比べてみましょう。

ゴリラ(オスの成獣)の側頭筋は、頭のてっぺんの峰のような矢状稜(しじょうりょう)からスタートして下顎の筋突起にまで伸び、強大な咀嚼力を保っています。だからゴリラの場合は、本来なら「頭頂筋」とでも呼ぶべきかもしれません。
ヒトの場合は、強大な咀嚼力が不要になったので、筋のスタート部は頭のてっぺんから、しだいに下方に退縮を始め、いまや「こめかみ」の少し上の側頭窩(そくとうか)に付着しています。

頭の頂上部分を指で前後左右に押すと、多少なりとも頭皮がずれるのは、この移動し退化した側頭筋の腱の部分の名残りです。
いわば、頭全体をおおっていた分厚い帽子を脱いだようなものですから、脳はどんどん大きく成長する機会を与えられたことになります。むろん、この変化には長い長い年月が必要で、今から60万年前の北京原人の頭蓋化石にすら、ゴリラのような矢状稜の痕跡はありません。

当院の紹介はこちら
http://www.imamura-ortho.net/

2015年7月 8日

前回は、歯並びと食生活の関係についてご紹介させていただきましたので、今回は、きれいな歯並びにする食事について、ご紹介させていただきます。


歯並びがガタガタになる原因のひとつとして、現代人の顎の細さがあります。


近年の食生活の欧米化によって、咀嚼が昔ほど必要ではなくなり、顎の筋肉や骨格が発達しきれず、結果、顎が細くなったと考えられています。


顎の成長は、身体の成長に合わせ発達していきますので、子供のころにする食事が歯並びに大きく影響します。


子供には、固いものを食べさせると良い。と一般的に言われていますが、それにはきちんとした理由があります。


人は食べ物を噛むときに、歯を上下、左右に動かして噛みます。


柔らかい食べ物を噛むときには、上下の動きだけで噛んで、飲み込むことができます。


反対に、固いものを食べるときには、よく噛んですりつぶす必要があるため、上下の噛む動きとともに、奥歯を左右に動かし、すりつぶしてから飲み込みます。


噛む回数は、もちろん大事ですが、固いものを食べるときに顎を左右に動かすことが、顎の成長が促されるためには最も重要なポイントです。


普段の食事では、生野菜を少し大きめに切る、歯ごたえのある食べ物を一品追加する、和食を中心とした食事にする、というような工夫をすると良いでしょう。


当院では、お子さんや成人の方まで、幅広い年齢層の方の矯正治療をおこなっております。歯並びでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


当院の紹介はこちら
http://www.imamura-ortho.net/

2015年7月 1日

前回は、歯並びと遺伝の関係についてご紹介させていただきましたので、今回は歯並びと食生活の関係についてご紹介させていただきます。


古くから日本では、魚介類、野菜、穀物を中心とした食生活を送ってきました。


魚の干し物や、保存のきく食べ物は固い物が多く、よく噛んで食事をしていたため、丈夫な顎の骨格と、咀嚼に必要な顎の筋肉が、昔の日本人は十分に発達していました。


しかし戦後から、西洋や欧米の食文化が日本に浸透することによって、日本の食文化は劇的に変化していきます。


例えば、朝食は、ごはんと味噌汁だったものが、パンとコーヒー、スープなどに変わり、弱い咀嚼でも食べられる、柔らかい食べ物が好まれるように変化していきました。


戦前はなかった、ファーストフードの普及やファミリーレストランでの、洋食の普及も、現代の子供たちの咀嚼不足に大きく影響していると考えられています。


日本はこれまで、これほどの短期間に、大きな食生活の変化を迎えたことはなく、若年層を中心に、顎の咀嚼不足による顎の退化が問題視されています。


顎が退化すると、必然的に顎の骨格が細くなり、永久歯のすべての歯が並びきらず、叢生といわれるガタガタの歯並びになりやすくなります。


子供のころから、固い食べ物を積極的に食べ、丈夫な顎を作ることは、きれいな歯並びにする、重要な役割をもっています。


子供の矯正では、身体の発育に合わせ、顎の成長を促す矯正治療が可能です。
成人してからでも、もちろん矯正治療を受けることができます。


歯並びが悪くお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

当院の紹介はこちら
http://www.imamura-ortho.net/

« 2015年6月 | メイン | 2015年8月 »

今村矯正歯科クリニック

今村矯正歯科クリニック

歯科に関する情報をブログで発信していきます。 ぜひご覧になってくださいね。

今村矯正歯科クリニック
http://www.imamura-ortho.net/