歯が動くヒミツ2
歯肉の部分は薄いセメント質におおわれていますが、それはさらに歯根膜という軟組織で包まれています。この歯根膜が、要するに歯根と歯槽骨をつなげる役目も果たしています。歯槽膿漏の歯が、なんとか抜けずにいられるのは、歯根膜組織がいくぶんでも生きて歯根の表面に残っているからです。
セメント質は、部位によって厚みが違います。歯の頭(歯冠部)と歯頸部に近いところでは200~300ミクロンですが、根尖部に近いところでは、年とともに多少厚くなったりします。
歯根膜は、血管や神経に富んだ非常に敏感で柔軟な組織です。ご飯を食べているときに、ごく小さな砂のようなものまで感知できるのは、この歯根膜にあるセンサーのおかげです。
つまり、食事中に「何か変なものを噛んだらしい」という信号が脳に送られ、それは「砂だ!すく吐き出せ」という命令が下りる、そういう仕組みというかシステムが出来上がっています。
矯正も、外部からの刺激の一つといえます。
上顎前歯に対して歯の裏側から前のほうに力が加わったとしましょう。物理的にいうと、歯の重心は歯根の中心の少し下あたりにあると考えられますから、歯の頭の部分、つまりエナメル質に与えられた矯正力は、歯の重心から離れている分だけ、歯を多少なりとも傾斜させることになります。
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