歯が動くヒミツ3
歯そのものを平行に移動させるには、その力に対抗できる力が必要で、それは矯正装置のブラケットに組み込まれた凹みと、それに嵌め込まれる細い矯正用ワイヤーの弾性と形状を巧みに利用するという、かなり熟練を要する作業です。
ブラケットのサイズは縦2~3ミリ、横3~4ミリ程度の非常に小さなもので、その中心部に横の付加朝1000分の22~25インチ、上下幅1000分の18インチ程度の溝が切り込まれています。そこに、断面が丸や角の、いろいろな大きさと種類のワイヤーを嵌め込んで、歯の三次元的移動をしようというのです。さまざまな工夫と矯正力の匙加減が、腕の見せどころということになります。
さて、歯を前方に押し出す力で、歯は傾斜しながら突き出る感じで移動しますが、傾斜移動で歯根膜は圧迫を受け、反対側の歯根膜は牽引されることになります。
圧迫側の歯槽骨には「破骨細胞」が並び、矯正力が適当であれば、歯槽骨表面の骨を吸収し始めます。それでできたわずかなスペースに歯は移動していきます。
一方、牽引されている側では、歯槽骨表面に造骨細胞が並び、歯槽骨を追加生産します。つまり、歯槽骨の前方表面では骨が吸収し、後方部分では骨が新生添加されます。
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