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2015年8月26日

オープンバイトではかみ合わせの負担、特に歯ぎしりでの負担を奥歯が受けるため、歯の寿命が短くなりやすいというお話をしました。


では、具体的に奥歯にどのようなことが起こり、寿命が縮んでいくのでしょうか?


【虫歯編】
奥歯に負担がかかる
→エナメル質(歯の一番外側の層)にひびが入る
→そこから虫歯になる
→治療する
→歯ぎしりで歯がたわむ際に、修復物と自分の歯との間に隙間ができる
→送り返す
→隙間から虫歯が発生
→前回より大きく削って治療する
→これを繰り返す
→神経まで虫歯が到達
→神経を取る
→歯が弱くなる
→歯ぎしりの力で、歯の根にひびが入る
→抜歯(歯の根にひびが入るとほとんどの場合抜歯になります。)


【歯周病編】
奥歯に負担がかかる
→歯が植わっている歯槽骨に負担がかかる
→その歯が歯周病になっていると、著しく歯周病が進行(歯槽骨の破壊が進む)
 (奥歯は正常なかみ合わせでも歯周病になりやすい部分)
→歯がぐらついてくる
→そこにさらに力がかかる
→歯槽骨の破壊が進み自然脱落もしくは抜歯
 (歯を支えている歯槽骨がなくなってしまうと歯は抜けてしまいます。)


このように奥歯の寿命は縮んでいってしまいます。


オープンバイト以外にも、出っ歯や深いかみ合わせなどで、前歯がかみ合わず、奥歯だけで噛んでいるような人は同じくこのような危険があると思っていただくとよいかと思います。


歯並びについて気になる方は是非一度ご相談ください。


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2015年8月19日

歯列不正が原因で歯磨きがしづらく、虫歯になりやすくなってしまうということは以前にもご紹介しましたが、オープンバイト(開咬)は虫歯になりやすいという以外に、かみ合わせの負担により、歯の寿命を極端に縮めてしまう可能性があるのです。


オープンバイトの場合、奥歯だけで咬合し、前歯が全く接触しない状態となります。
噛みあわせのすべての負担を奥歯で吸収することになるため、奥歯は常にストレスを抱えた状態になります。
特に、奥歯は歯ぎしりなどの側方にかかる力に弱いという性質があります。
通常は、歯ぎしりをする際、犬歯誘導と言って、犬歯のあたりで歯ぎしりをするようになるのですが、オープンバイトの方の場合、それができないため、歯ぎしりを奥歯ですることになります。


「普段歯ぎしりなんてしていないし関係ない」
と思われるかもしれませんが、就寝時に歯ぎしりをしているという方は多くいらっしゃいます。(自覚のあるかたは2割程度と言われています。)
特に、就寝時は無意識のため、意識があるときでは考えられないような強い力がかかります。


実はこれはオープンバイトに関わらず、きちんと前歯が噛んでいる場合でも、犬歯以外で歯ぎしりをしているとその歯には大きな負担になっている可能性がありますので、気になる方は試しに鏡を見ながら歯を大きく歯ぎしりさせるようにしてみてください。


「奥歯の寿命を縮めるオープンバイト(2)」で、この歯ぎしりの負担がどのように奥歯の寿命を縮めて行ってしまうのかご説明します。


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2015年8月12日

仮に歯の移動をX線写真のヒトコマ撮りをしてそれをつなげれば、歯がいかにも骨のなかを泳ぐように移動しているように見えるかもしれませんが、その裏では、歯は歯槽骨の「破壊」と「新生」という組織変化に助けられて、硬いはずの骨のなかを前進するのです。

どのくらいが適当な矯正力かといえば、調節した2~3日に多少の違和感があり(人によっては「多少の痛み」と感ずる程度)、数日後はその違和感も忘れるといった感じが理想でしょう。順調なら月に0.8ミリ程度の移動量といわれます。

矯正するにあたって大切なことは、どの歯を動かし、どの歯を動かしてはいけないか、被移動歯と固定源を明確にすることです。
歯槽骨は、老若(ろうにゃく)にあまり関係なく、外力が与えられれば吸収します。しかし、骨の「新生」となる話が違います。

「親子でスキーに行って同じ場所を骨折した場合、どっちが早く治ると思う?」と患者さんに聞くと、「子供が先」と、多くの方が答えます。
実際は若い人のほうが、「骨を造る細胞が元気だから」なのです。大人の矯正と子供の矯正との違いはたくさんありますが、新しい骨ができなければ歯は安定しないので、その意味では子供が早いということになります。

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2015年8月 5日

歯そのものを平行に移動させるには、その力に対抗できる力が必要で、それは矯正装置のブラケットに組み込まれた凹みと、それに嵌め込まれる細い矯正用ワイヤーの弾性と形状を巧みに利用するという、かなり熟練を要する作業です。

ブラケットのサイズは縦2~3ミリ、横3~4ミリ程度の非常に小さなもので、その中心部に横の付加朝1000分の22~25インチ、上下幅1000分の18インチ程度の溝が切り込まれています。そこに、断面が丸や角の、いろいろな大きさと種類のワイヤーを嵌め込んで、歯の三次元的移動をしようというのです。さまざまな工夫と矯正力の匙加減が、腕の見せどころということになります。

さて、歯を前方に押し出す力で、歯は傾斜しながら突き出る感じで移動しますが、傾斜移動で歯根膜は圧迫を受け、反対側の歯根膜は牽引されることになります。
圧迫側の歯槽骨には「破骨細胞」が並び、矯正力が適当であれば、歯槽骨表面の骨を吸収し始めます。それでできたわずかなスペースに歯は移動していきます。

一方、牽引されている側では、歯槽骨表面に造骨細胞が並び、歯槽骨を追加生産します。つまり、歯槽骨の前方表面では骨が吸収し、後方部分では骨が新生添加されます。

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今村矯正歯科クリニック

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